お客様の声と施工事例
2026.09.08
更地にしなくても、お参りしやすく ── 段差と植栽をなくした墓所改修
四月五日、四十九日のご法要のあと、ご納骨のお手伝いをさせていただきました。
その席で、奥様がこう仰いました。「主人が、お墓のことを直したいと言っておりました」と。
後日、改めてお墓を直したいとご連絡をいただき、この工事は始まりました。
玉石を積んだ縁に植栽があり、その根元から草が伸びていました。足元は土と砂利で、雨のあとはぬかるみます。手前には段差があり、灯籠が二基。手入れが行き届かなくなっていた、というのが正直なところでした。
灯籠については、これはいらない、と施主様が仰いました。石ではなくコンクリート製でしたので、そのまま外すことにしました。


こうした墓所は、一度更地にして建て直すのが早いように思われるかもしれません。けれど石塔や芝台は使えます。土台の玉石積みも、設計により活かせます。使えるものは残して、段差と植栽をなくし、平らにする。それだけでお参りはずっと楽になります。
四月二十四日、図面を四案お持ちしました。
図面は、今あるお墓を写し取るところから始めます。現況図です。玉石の縁、砂利の敷かれた地面、段差、灯籠の位置。実際に測ったものを、そのまま図に起こします。
そのうえで、直したあとの姿を並べて描きます。現況と並べれば、どこがどう変わるのかが一目で分かります。「平らにする」という話は、言葉だけではなかなか伝わりません。
ご相談のうえ、この設計で進めることになりました。砂利をやめて石で覆い、段差をなくす。手前は乱張りの石畳、奥は磨いた平板。塔婆立も新しくします。

五月十六日、お経をあげていただき、そのまま着工しました。
お骨は、工事の間お寺様がお預かりくださいました。
この工事の難しいところは、寸法が図面どおりには決まらないことです。
周りを囲っていた玉石積みは、前の部分だけを解体しました。後ろはそのまま残しています。玉石は一つひとつ形が違いますので、どこが切れ目になるかは、実際に石を外してみるまで分かりません。前を外し、基礎を打って、そこで初めて新しい外柵の寸法が決まります。
面倒なことですが、この玉石もお亡くなりになったご主人が集めてきてお墓に使われたと伺いましたので、その気持ちを形として残すことを選びました。
あらかじめ海外の工場で石を作り、運んでくるやり方では、この手順は踏めません。
現場で出た寸法に合わせ、こちらで石を刻みます。
設計も一箇所、現場で変えました。左右のお隣との間に高低差のある場所でしたので、入り口を階段にして納めています。中は平らに、入り口だけは段を切る。そのほうが上がりやすく、雨のときも安全です。


石塔は建て替えていません。全面磨き直しを施し据え直しました。
六月九日、通路を仕上げて完成。

六月二十四日、開眼のお経をあげていただき、改めて納骨をお手伝いしました。
その日、施主様とご子息から「見違えた」「びっくりしました」とのお言葉をいただきました。
段差がなくなり、土と砂利だった足元は石になりました。草も生えなくなり、
「お参りの際のお掃除がとても楽になります」と、喜んでいただきました。
ご主人の建てたお墓の石は元のまま、お参りのしやすいお墓に生まれ変わりました。


更地にしなくても、お墓は直せます。
段差をなくす、植栽を石畳に替える、傷んだ部材だけを替える、石を磨き直す。手の入れ方はいくつもあります。
草取りが大変、足元が危ない、段差が上がりにくくなった。どんなことでも、まずは一度ご相談ください。現地を拝見して、図面にしてお持ちいたします。
株式会社 水谷石材 設計担当 水谷隆一
0558-72-0492




