水谷石材ブログ
2026年09月
2026.09.09
【お墓の悩み】山の斜面・傾斜地にあるお墓を安全にリフォームする正しい知識
「お墓の階段が狭くて、上るのが怖い」
「足元が不安定で、雨の日は滑りそうで危ない」
「斜面の草取りが重労働で、お参りが億劫になってきた」
伊豆をはじめ、山の斜面を切り拓いてつくられた墓地では、年齢とともにお参りが負担になっていきます。直したいとは思うけれど、傾斜地だから大掛かりな土木工事になって、費用がかさむのではないか──そう考えて、そのままにしておられる方は少なくありません。
けれども、お墓の構造が分かれば、大掛かりな解体をせずに、歩きやすく安全にする方法があります。この記事では、傾斜地のお墓が抱える課題と、リフォームのときに知っておいていただきたい「古い石積みの扱い方」についてご説明します。

■
そのままでも大丈夫? 見直すときのサイン
「昔からこの形だから」「まだ我慢できるから」と、足元の悪さをそのままにされている方は多くいらっしゃいます。ただ、傾斜地のお墓には、時間とともに次のようなことが起こります。
◆
足元が滑りやすくなる
長年の雨風で石段がぐらついたり、苔が生えて滑りやすくなったりします。ご高齢の方にとっては、お参りそのものが負担になります。
◆
お参りから足が遠のく
危ないから、疲れるからと足が遠のくと、雑草が伸びて足場はさらに悪くなります。
◆
土留めが緩む
土台の石がずれたり、土が流れ出したりすると、ある日お墓が傾いてしまうことがあります。
ご自身で見ていただけるところもあります。石塔(墓石本体)が傾いていないか、外柵の直線が狂っていないか。よく見れば分かるはずのところですが、毎年お参りされていても、案外気づかないものです。
「最近、お墓参りに行くのが億劫に感じる」「階段を上るときにヒヤッとした」というご経験があれば、それが見直すときのサインです。
■
傾斜地のお墓リフォームで「古い石積み」を壊してはいけない理由
傾斜地のお墓を直すとき、いちばん多い誤解が「古いのだから、土台の石積みからすべて壊して作り直さなければいけない」というものです。実際には、石積みには手を付けないほうがよい場合が数多くあります。
伊豆でよく見られる傾斜地の墓地は、山の斜面に石を積んで土を留め、その上に平らな場所(平場)をつくってお墓を建てています。つまり、この石積みそのものが区画であり、土を支えている要(かなめ)です。
これをむやみに外してしまうと、上の平場が崩れ、基礎から大掛かりな土木工事をやり直すことになります。
結果として、費用は大きく膨らみます。
土留めがしっかり機能しているのであれば、そこには手を付けず、問題が起きている上の部分──人が歩く平場と石段──だけを直す。これが、安全の面でも費用の面でも、いちばん理にかなったやり方です。
ご自身のお墓の石積みは大丈夫でしょうか。
現地へ伺って拝見いたします。「うちのお墓も上だけ直せますか」といったことでも構いません。
ページ上部の「お問い合わせ」から、またはお電話(0558-72-0492)でご連絡ください。
■
上だけを直して、安全に・歩きやすくする三つのこと
では、「上の部分だけを直す」とは、具体的にどのような工事なのでしょうか。
◆
一 階段の踏み面を広く取る
傾斜地のお墓でいちばん危ないのは、足を乗せる部分(踏み面)が狭い石段です。奥行きを取り直すだけで、上り下りは格段に楽になります。元からあった踏み石を使い直せば、費用を抑えながら、これまでの姿を残すこともできます。
◆
二 平場を固めて、土を残さない
お参りをする場所の土をすき取り、コンクリートを打つか、石を張って平らに固めます。足元が安定して安全になるうえに、草取りの手間がなくなります。土を残さないことは、私たちがどの現場でも大事にしている考え方です。
◆
三 石塔は磨き直して据え直す
石塔に苔や汚れがこびりついていても、すべてを新しい石に買い替える必要はありません。欠けなどがなければ、工場へ持ち帰って全面を磨き直すことで、石本来の肌を取り戻すことができます。傷んでいる部品(水鉢など)だけを替えれば、十分に整います。
ただし、艶の出方は石の種類によって違います。磨いても、黒御影石のようには光らない石もあります。仕上がりの見当は、現地で石を拝見してからお伝えします。
■
【事例】石積みを残し、上の平場だけを改修したお墓
伊豆市内の傾斜地にある墓地で手がけた改修です。ここまでご説明した「石積みを残す直し方」が、実際にどうなるかをご覧ください。
◆
改修前のお困りごと
山の斜面にあり、階段が狭くて足元が不安定でした。石塔の汚れも目立っていました。お参りのたびに、気を遣って上がっておられたそうです。
◆
ご提案と工事の中身
・土留めの石積みには手を付けない(現状のまま残す)
・上の平場を作り直し、コンクリートを打つ
・階段の踏み面を広く取り直し、元の踏み石を使い直す
・石塔は建て替えず、全面を磨き直して据え直す

◆
完成
石積みはそのままに、上だけが変わりました。平場が広くなり、階段が上がりやすくなったことで、足元の不安は解消されています。施主様からは「よくやってくれました」「綺麗になりました」とお言葉をいただきました。土を残していませんので、これから草取りに追われることもないはずです。
大掛かりな解体をしなくても、お墓はここまで変わります。
この工事の詳しい経過は、ページ上部の「選ばれる理由」のなかにある「水谷石材施工事例集」に載せてあります。ほかのお墓づくり・リフォームの事例も、あわせてご覧いただけます。
■
納得のいくお墓リフォームのために。石材店を選ぶときに
◆
今あるものを活かす提案があるか
「すべて新しくしましょう」と全解体を勧めるだけでなく、石積みや古い石塔を活かして費用を抑える道も示してくれるかどうか。
◆
図面を出してくれるか
離れた場所にある古いお墓をまとめるのか、今の区画を直すのか。ご家族の状況によって答えは変わります。図面にして一緒に考えてくれるかどうかは、判断の手がかりになります。
なお、私たちは改修の際、古い石碑の文字──戒名や没年──を読んで書き起こし、記録に残しています。元禄年間のものが読み取れることもあります。石を代々の順に並べ直すには、誰がいつ亡くなったのかが分からなければ、動かせないからです。
■
まとめ
一 足元の悪さをそのままにしておくと、怪我や土留めの緩みにつながります。
二 土留めである「古い石積み」は、むやみに解体せず、そのまま活かすのが基本です。
三 石積みを残して「上の平場と階段」だけを直せば、費用を抑えて安全にできます。
四 石塔も、磨き直して使えることが多くあります。
「うちのお墓の石段も直せるだろうか」「複数あるお墓をまとめるとどうなるだろうか」。そうしたことがありましたら、どんなことでも水谷石材へお声がけください。ご家族にとって負担が少なく、これから何十年と安心してお参りいただける形を、図面にしてご一緒に考えます。まずは、現地をしっかり拝見いたします。
■
株式会社 水谷石材
静岡県内では数少ない自社の石材加工工場を伊豆市大野に持ち、原石の切削から加工、磨き、字彫り、建て込みまで一貫して行っています。
・対応 お墓の改修・リフォーム、お墓づくり、清掃代行ほか
・ご相談の流れ 現地調査 → 図面作成・お見積り → ご検討(無理な営業は一切いたしません)
・お電話 0558-72-0492(営業時間 8:00〜17:00)
・所在地 〒410-2413 静岡県伊豆市小立野45-1
・お問い合わせフォーム https://mizutani-sekizai.com/contact/
・設計担当 水谷隆一
- 1 / 1




